日本では、飲食店やサービス業などで昔からおなじみの「おしぼり」。
よく「海外におしぼりはない」と聞きますが、実際はどうなのでしょうか。

海外のおしぼり事情 欧米の場合

海外のおしぼり事情を調べてみると、欧米の飲食店では「テーブルに着く前には既に手を洗い終えている」が前提らしく、日本の飲食店で食前に出されるような「おしぼり」はないようですね。
その代わり、食事中に口元を拭ったりするナプキンや、食事中に汚れた手を洗うフィンガーボールがあります。

欧米では、外食先でのテーブルマナーが確立しているため、なかなか日本式のおしぼりは普及しづらいようですね。

海外のおしぼり事情 アジア・東南アジアの場合

翻ってアジア・東南アジアでは、日本式のおしぼりを提供する飲食店が意外と多く存在するようです。
普及の始まりは、各地に展開する日本食のお店から、とのこと。

お隣の韓国や日本企業の駐在員が多いタイでも、日本式のおしぼりはよく見られるそうですが、中でも中国は特におしぼりの普及が早かったそう。
中国国内の高級料理店では、日本式の食前のおしぼりが出てくることも少なくないそうです。

オーストラリア在住で、首都メルボルンの飲食店をよく知る人の話でも、日本食のお店はもちろんのこと、中華料理のお店でもおしぼりの提供がよく見られるとのこと。

また、タイのコンビニでは、冷蔵庫でしっかりと冷やされた布おしぼりが売っていて、顔や首筋を拭ったりするととても気持ちがいいのだそう。
気温も湿度も高いタイで冷え冷えのおしぼりを使えるなんて、とても贅沢な気持ち良さでしょうね。

カンボジアの飲食店では、こちらも日本の飲食店から広まった形で、無料で「紙おしぼり」が提供されることが多いそうです。
そのすぐ隣のベトナムでは、紙おしぼりは有料なことが多いようですね。

食事中や食後に使うおしぼりは以前から欧米にも

食前に提供される日本式の「おしぼり」は、欧米ではあまり見られないものの、食事中や食後に提供されるおしぼりは、欧米(や中国)にも以前からあったそうです。

例えば、イギリスでは牡蠣を食べるときに、手が汚れるのでおしぼりが用意されます。
アメリカでは、ソースたっぷりのチキンを手づかみで食べるときに、やはりおしぼりが料理と一緒に出てくるそう。
中国でも、蟹を食べたあとに布のおしぼりが出てくるのは以前からあったそうですね。

結論としては、海外では日本食店や日本のサービスから普及したおしぼりの提供も多いものの、それ以前から、各国でそれぞれの食事スタイルに合わせておしぼりが使われていた、という感じでしょうか。
一概に「海外におしぼりはない」というわけではないようですね。

以上、海外のおしぼり事情の紹介でした!